狛犬(こまいぬ)が日本に伝わったのは、仏教が伝わったのと同じ頃。高麗(こま)から獅子が伝わりました。インドではライオンは仏を守る聖獣でした。インドから中国に伝わって獅子となり、朝鮮半島を経由して日本に伝わりました。日本人は見たことのない異様な獣の姿を見て、「高麗の犬」「こまいぬ」とよびました。この高麗とは「こうらい」ではなく高句麗のことです。高句麗では貊(はく)とよばれていました。貊の字は「狛」と書きます。「狛」と書いて「こま」と呼ばれるようになった。
狛犬(こまいぬ)は仏像、寺の塔や入り口の両側に置かれていました。狛犬はもともと仏教の守り神でした。
獅子(狛犬)が日本に伝わった時も、最初は寺に置かれていました。もともと神社は仏教の影響で作られました。古代の日本では建物を建ててご神体を守るという考えはありませんでした。寺院建築に影響を受けて神社に建物が作られました。その影響で神聖なものを守る狛犬も神社に取り入れられたようです。仏と神は同じだという神仏習合も影響しました。悪霊から大切なものを守るという役目です。目のみえない災いから守ってくれる頼もしい存在です。