比売(ひめ)神

 比売(ひめ)神は八幡奈多宮の主神である。小さな小国家(部落国家)の時代、国前・阿岐の国(豊後風土記にはこのようにある)の女性の支配者とも言われる。その頃は巫術者が頂点にいた。つまりシャーマンであった。最大最古の前方後円墳が亀山古墳である。この古墳の周辺には製鉄遺跡が多い。つまり亀山古墳の豪族は、製鉄による豪族である。「比売大神は先に国前郷に住す」(宇佐八幡御託宣集)

宇佐氏は古くから大陸からの帰化人を擁し、国造(くにのみやつこ)として権力を振るっていた。北上して中津平野に三角の池を築き、農耕、医療、製鉄、工芸、宗教等文化を習得していた。しかし大神氏が代って国造になると、宇佐氏は、安心院、国東の地に浸透していった。
国東に来た宇佐氏は比売大神を祀り、砂鉄、海上交通を持つ亀山の豪族と手を結ぶ。国東に来た宇佐氏は大陸のタタラ式の製鉄をもって莫大な鉄をつくり、宇佐へ運ぶ。こうした宇佐氏の豪族と手を結んだ足あとが亀山の古墳である
 亀山の豪族は比売大神を祖神として祀り、祭祀を司っていた。この比売大神を、宇佐氏も小椋山にも祀り、奉じた。桂川と安岐川とを結ぶ交通路が開かれた。この交通路が奈良大仏開眼式上洛の往復の通路となり、往復とも奈多に駐輩された。(東大寺要録)

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